9 年やってきて、3 回しかなかった瞬間のうちの 1 つの記録。
9 年やってきて、お客さまの一言で本当に泣いた瞬間が、3 回ある。
そのうちの 1 つを、書く。
3 年通ってくれた、40 代の常連さん
月 1 で必ず来てくれてた、40 代後半のお客さま。
お子さんの大学受験、ご両親の介護、ご自身の更年期。
3 年の間に、いろんな話を聞いた。
その日は、お子さんの大学合格報告だった。
施術が終わって、お見送り際に
「今日も、ありがとうございました」
こちらも「お疲れ様でした、お気をつけて」と返した。
玄関を開けて、彼女が外に出る寸前、振り向いてこう言った。
「先生のこと、大学合格報告したい一番の人だったんですよ」
その瞬間
言葉が出なかった。
彼女には「ありがとうございます」だけ返して、ドアを閉めた。
その後、一人になったサロンで、机に突っ伏して 30 分泣いた。
なぜ泣いたか、後から考えた
家族でも、親友でもない。
月 1 で 1-2 時間会うだけの「ネイリスト」。
その自分が、彼女にとって「大学合格を一番に伝えたい人」だった。
それが、何より重かった。
3 年間、月 1 のあの 1-2 時間で、こちらが想像してた以上の関係を、彼女は感じてくれてた。
ネイリストという仕事の、ある種の境地
こういう瞬間に出会うために、9 年続けてきたんだと思う。
毎月そんな瞬間があるわけじゃない。むしろ、3 年に 1 回。
でも、その 1 回が、9 年の全部を肯定してくれる。
これがあるから、辞めない。