「本業ネイリスト」と名乗るのが、いまだに少し気まずい 30 代の本音。
「お仕事は何されてるんですか?」
この質問、30 近くなった今でも、ちょっと苦手。
「ネイリストです」と答える前に、頭の中で 0.3 秒くらい計算してる。
今月、ネイルで稼いだお金。バイトで稼いだお金。比率は、たぶん 4 対 6。
—— これって、 本業ネイリスト って名乗っていいのかな。
「ネイルだけで暮らせてる人」を見るのが、ちょっと怖い
Instagram を開けば、月の予約びっしりのスケジュール、海外で作品撮りしてるトップネイリスト、独立 5 年で店舗構えました報告。
すごい、おめでとう、頑張ってください、と思いながら、
そっとアプリを閉じて、来週のシフト表を確認する。
火曜日 17 時からカフェ。木曜日 9 時から雑貨屋。土曜日朝、ネイル 2 件。
「もうすぐ 30 なのに、私、何やってるんだろう」って思っちゃう瞬間、月に 2-3 回はある。
検定通って、もう 8 年
JNA 1 級取った時のこと、覚えてる人、いるかな。
22 歳の春。
あの達成感って、何だったんだろう。
教材費・スクール代・検定料、合計 80 万くらいかけて、
今、ネイルだけだと月 12 万。
家賃 8 万、材料費 3 万、サブスク (筆代から SNS 広告まで)、健康保険、年金、医療保険。
気づいたら、手元には 1 万円も残らない。
貯金は、相変わらずほぼゼロ。
だから、バイト。
カフェ、雑貨屋、事務代行、なんでもやってる人、いる。
本当に、みんなやってる。
同期、ほとんど辞めた
スクール時代の同期 LINE グループ、しばらく開いてない。
開きたくない理由は、たぶん明確で、
- 結婚して辞めた子
- 独立して年商 1,000 万になった子
- 別業界に転職して都内マンション買った子
- そして、私みたいに「まだ続けてる」子
スタンプ 1 つで「久しぶり!」って打てない、空気の重さがある。
30 前後って、こういう「人生の進度差」が一番見える時期だと思う。
コロナ禍で、業界が一回バグった
2020 年、私 27 歳の時、業界がちょっと混乱した。
緊急事態宣言で出張ネイル禁止、店舗ネイル休業要請。
あの 2 ヶ月、本気で「もう辞めようか」と思った。
その後、在宅ワークが定着して「セルフじゃなくてプロにお願いしたい」って需要は確かに伸びた。
でも、SNS のネイル系アカウントもコロナ前の 3 倍くらいに増えた。
需要 1.5 倍、競合 3 倍。
価格競争、始まった。
ホットペッパーの掲載料は据え置き、なのに私の単価は微妙に下がった。
「コロナで儲かったネイリスト」と「コロナで疲弊したネイリスト」、
たぶん同じ数いる。
私は、たぶん後者。
体、もう 22 歳と同じじゃない
去年から、目薬を施術前に必ず差すようになった。
腰のサポーター、机の引き出しに入ってる。
ささくれ、爪のサイドの肌荒れ、自分の手元はだいたい荒れてる。
ジェル使う仕事してて、自分の爪が一番ボロボロ、って笑い話、業界では定番。
笑いごとじゃなくなってきたのは、たぶん 28 歳くらいから。
20 代前半の頃みたいに、夜中まで技術練習して翌朝接客とか、もう正直無理。
8 時間バイトの翌日、休みなしでサロンワーク入ると、
3 件目で集中が切れる。
リフト早いって言われた時、原因は半分、自分の体調かもしれない、って心の中で思ってる。
掛け持ちネイリストが密かに困ってる、3 つのこと
1.「いつ営業してるの?」が答えづらい
バイトのシフト次第で、来週どこまで開けられるか分からない。リピーターさんに「今月は◯日と◯日です」って毎回 DM するの、地味につらい。
2. DM に気づくのが翌日になる
バイト終わって帰って爆睡 → 起きたら新規予約の DM が朝 9 時に入ってて、返信した時にはもう他店行ってた。これ、月 2-3 回ある。
3. 疲れた時の施術品質
バイト終わりにそのまま夜ネイルが入ると、3 時間後の施術で集中切れちゃう。リフト早いって言われた時、原因は自分の体調かもしれない、って内心思う。
同期の結婚式、5 回目を断った
去年、5 回目の結婚式の招待を、断った。
ご祝儀 3 万円が、出せなかった。
「ごめん、その日仕事入ってて」って LINE 打って、
本当はその日、特に何もなかった。
人生で何度目かわからない「お金がないことを、人付き合いの理由でごまかす」瞬間。
別に、結婚に焦ってるわけじゃない。
ただ、「30 過ぎたあなた」が結婚式に出ない言い訳を毎回考えるのに、ちょっと疲れた。
それでも、ネイルを続けるのは
なんでだろうね。
「先生がいないと困る」って言ってくれる、3 年通ってる常連さん。
「子ども産んでもまた予約しますね」って言ってくれた、最近結婚した子。
「私の指、先生のおかげでやっと爪きれいになった」って毎回言ってくれる、ジェル弱い体質の子。
—— この人たちの顔を、私は見続けたい。
「夢」とかじゃない。
「やりがい」って言うとちょっとウソくさい。
ただ、 この時間がなくなったら、自分が何者か分からなくなる、って感覚。
おわりに
8 年やって、まだ食えてない。
独立もしてない。
貯金もない。
でも、3 年通ってくれる常連さんの指先を整えてる時、
「私、ネイリストでよかった」って思える瞬間が、月に何回か、確かにある。
その瞬間のために、明日もカフェのシフトに入る。
たぶん、これでいいんだと思う。
—— ネイル経営の本音 編集部
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